ご挨拶

スーパーバイザー挨拶

Message from the President

大阪体育大学 教授

菅生 貴之
スゴウ タカユキ

【スポーツにおけるメンタルトレーニングの必要性】
近年、高度に洗練された競技スポーツにおいて、我が国のアスリートの海外での活躍は目覚ましく、国民に勇気と力を与えてくれていることは周知のことと思います。一方で、そうした国際競技会においてよい成績を収めることは簡単なことではありません。競技場面でよく言われている「心・技・体」のすべてを高いレベルで強化していかなくてはならず、そうした選手たちが特に重要視するようになってきたのが「心」の部分、つまりはメンタル面のトレーニングです。特にメンタル面に関心を向けるのは、競技者としての高い経験を持つ指導者であったり、競技経験年数の長いベテラン選手であったりします。私は大学で教鞭をとる前には、「国立スポーツ科学センター」という研究施設でナショナルチームの選手などをサポートしていました。そうした環境で選手や指導者のお話を伺っていると、経験のある選手たちがよくおっしゃるのは、「若いうちからメンタル面を強化しておけばよかった」ということです。近年ではそうしたことから、多くの競技団体などで、ジュニアアスリートの世代からメンタルトレーニングを取り入れたい、という要望もよく聞かれるようになりました。

【日本スポーツ心理学会認定 スポーツメンタルトレーニング指導士】
一方私たち、スポーツ心理学の専門家が集まる、『日本スポーツ心理学会』という学術団体では、そうした要望に高い学術的背景をもって応えるべく、2000 年から「スポーツメンタルトレーニング指導士」という資格認定を開始し、現在約150 名の指導士が認定されています。心理サポートを競技団体の要望に応じて実践し、そうした実践活動から着想を得て競技の心理に関する研究を行っています。この資格は、例えば競技者としての個人的な経験を頼りにメンタル面のアドバイスをするのではありません。学術的背景を踏まえて、大学院でエビデンス( 科学的な証拠) に基づいたサポートや研究手法を学び、「修士」の学位を取らないと取得できない、大変厳しい資格です。

【参照: 日本スポーツ心理学会の資格のページ http://www.jssp.jp/03shidoshi/index.html】

しかしながら、指導士の数はまだまだ少なくメンタルトレーニングを必要とする競技団体の要望に対して十分に提供できている状況とは程遠く、サポートが行き届かない現状があります。そのため、例えば競技力向上の施策としてメンタルトレーニングの講演を受けてみたい、あるいはメンタルトレーニングを継続して取り入れたいという希望があるにもかかわらず、誰に頼めば良いか分からない、継続してサポートできる指導士がいない、などといったことをよく耳にします。

【ミツフクの目指すもの: 質の高いスポーツメンタルトレーニングの提供】
ミツフクでは、上記のような課題を少しでも解決するために、複数のスポーツメンタルトレーニング指導士を契約スタッフとして登録し、全国各地でのサポートを実現するシステムを構築していくことによって、選手や競技団体の皆様がスタッフを選べるということもミツフクが行う新しい挑戦です。登録されている指導士のプロフィールに記載されている、得意とするサポートスタイルやスポーツメンタルトレーニング技法、自身の専門競技などよくご覧いただいて、サポート体制やスタッフの要望についてお問い合わせください。また代表者である私は『スポーツメンタルトレーニング上級指導士』の資格を有しており、「指導士を育成・指導する」ことを実践してきました。これまで大阪体育大学大学院から、スポーツメンタルトレーニング指導士資格取得者を何名も輩出してきました。ミツフクでは、スポーツメンタルトレーニング指導士を育成する中で培ってきたノウハウを用いて、実践したサポートを「やりっぱなし」にせず、質の高いサポートが提供できているかを定期的に組織内で検討する機会( 事例検討会やスーパービジョン、研修会など) を実施します。そうして指導士としての研鑽を深め、技量を高めていくことも、ミツフクの大きな特徴であり、使命だと思っています。